腰痛はなぜ起きるのか~その原因


腰痛に悩んでいる人がこれほど多いにもかかわらず、「ほんとうの意味で予防する方法はない」といわれますが、それはなぜでしょうか。


腰痛は「二本足で立つ宿命をおった人間だけの病気」と、よく言われます。


人間の背骨は一本長い骨が通っているわけではなく、骨盤のうえに短い骨(椎骨、ついこつ)がまるで積み木を積み上げるように並び脊椎(せきつい)を形成しています(そのなかでも腰の骨の部分は、「腰椎(ようつい)」と呼ばれます)。

そしてそれぞれの椎の間に、クッションの役割を果たす椎間板」が入っています。

この基本的に不安定な構造、いわば「細長い積み木のような長く伸びた構造を、前後左右から筋肉で支えているわけです。


このような構造の脊椎は、真横から見るとゆるやかな「S字カーブ」を描いており、これが二本足で直立した時の、本来の姿勢なのです。

とくに前後から支えている「腹筋」と「背筋」が非常に重要で、腹筋と背筋はいわば「天然のコルセット」です。

この腹筋と背筋が衰えてくると、背骨のずれ腰痛を起こしやすくなります。


腰痛は、たしかに内臓疾患や心因性の病気から生じることもありますし、変形性股関節症のように、他の病気の似たような症状として起きる場合もあります。

また腰痛の発生原因自体はっきりしないことも少なくないと言われますが、それでも原因の大半は、「腹筋・背筋の衰えからくるもの」と考えてよいでしょう。


ある年齢以上、とくに40歳代以降ともなってくると、仕事で忙しい日常にまぎれて、腹筋も背筋も意識して鍛えない限りは、どうしても弱ってくるものです。


背筋や腹筋の衰えによって、脊椎が本来の自然なS字カーブを維持することができなくなり、そのぶん椎間板や椎体・関節にさまざまな負荷・ストレスが、長年にわたって蓄積されていきます。

そしてある日突然、それが強い・ないし鈍い腰痛となってあらわれるわけです。


つまり人体の構造上「二本足で立っている」というだけで、若いときはともかく歳をとってくると、脊椎にさまざまな負担がかかってくるようにプログラムされているわけです。


腰痛
はその結果発せられるサインであり、自然体の姿勢が保てなくなってきたことをカラダ自体が告げる、SOSでもあるのです。

骨粗鬆症との関係~中高年はとくに注意


高齢者の場合は、「骨粗鬆症による骨の老化腰痛にも深く関わってきます。


骨形成に欠かせないカルシウムは、日本人が唯一摂取量が不足している栄養素といわれ、骨粗鬆症の予防には一日800-1000㎎が必要と言われるのに対し、中高年のカルシウム摂取量は一日500㎎程度にとどまっています。


カルシウムはせっかく摂取しても、運動などで骨に刺激が加えられないと素通りして体外に排出されてしまうため、カルシウムの摂取後は、運動することがポイントになります。


また、カルシウム吸収をよくするためにはビタミンDが必要ですが、これは紫外線にあたることで体内で合成されます。

通常は日の光を浴びるようにすればよいわけですが、デスクワークで忙しかったり、あるいは家に閉じこもりがちだったりして、運動と日光浴の双方が不足しがちな中高年層は、腰痛、ひいて骨粗鬆症の発生リスクを高めていることにもなるわけです。

腰痛の種類と、日常生活における対処法


腰痛の症状として、ばくぜんと鈍い痛みを自覚する、腰のあたりにいつも不快感を感じて気になる…といったケースがかなり多いものです。


また腰痛から派生して、肩こりや脚のしびれ・痛みといった症状がついて回る場合もあります。


腰痛には突発性のもの、いわゆる「ぎっくり腰」や「椎間板ヘルニア」があります。

原因はさまざまですが、突如として飛び上がるような腰痛を感じて動けなくなってしまうケースも少なくありません。


このような場合はとにかく腰をカイロなどで温めて、少なくとも24時間は絶対的に安静にしている必要があります。

その後、多少痛みが和らいできた段階で必ず、専門医の診察・治療を仰ぐようにする必要があります。


なお横になるときは、うつぶせに寝る姿勢は腰に負担がかかるため避けるようにします。


固めの敷布団に仰向けに寝て、腰を温熱しっぷや電気毛布などで保温しながら、膝の下に丸めた毛布やマクラなどを入れ膝を曲げるようにすると、楽な姿勢を保てます。


上で述べたとおり、二本足でたっている以上、いつか腰痛が起きることは避けがたい側面があるものの、だからといって腰痛をそのまま放置しておいて良いわけはありません。


腰痛が起きたら医者にかかる…という対処療法を止め、ふだんから体操などで腹筋と背筋を鍛え、姿勢を正すことで腰痛を予防するという、積極的な心がまえを持つようにしたいものです。


まずは日頃の姿勢です。

つねに意識しながら、「尻を引いて胸をはるような姿勢を保つようにしましょう。

日常生活ではいつも、あごを引いて背筋を伸ばし、お腹をつきださないようにする心持ちでいることです。


椅子に座ったときなど、気がつくとあごやお腹がダラッと前にでていることがありませんか?

気づいたらすかさず矯正するようにしましょう。

また、デスクワークなどで座りっぱなしになるなど、長時間にわたって同じ姿勢をとり続けることはよくありません。

ときどきは立って歩いたり、軽いストレッチをしたりして、姿勢に変化をつけるようにしましょう。

腰痛への警戒という点では、かがんで重い荷物を持ち上げるときが要注意です。


急性の椎間板ヘルニアは、往々にして背中を丸めたまま思い物を持ち上げようとして、椎間板がずれて後ろに飛び出すことで起こります。

若い方の腰痛は、このようなかたちで起きる椎間板ヘルニアが非常に多く、またいったんなってしまうと、手術の有無にかかわらず再発することも少なくないといわれます。


とくに荷の上げ下ろしが続く作業などをするときには、十分に気をつけなくてはなりません。

荷物を持つ場合は、十分に腰を落としてから、背中ではなく腰の力を使うような気持ちでゆっくりと立ち上がりながら、いっしょに持ち上げるようにします。

腰痛の予防~腹筋と背筋を鍛える体操・ストレッチ


また予防という点では、腹筋や背筋を強化するための体操が効果的です。

腰痛は足腰や腰回りの筋肉の老化からきている場合が多いので、日々体操やストレッチを行うことは腰痛の予防に役立ちますし、整形外科で治療の一環として、体操をすすめられる場合もあります。


ちなみに、背筋より腹筋のほうが筋力の衰え方が激しいといわれており、腹筋が衰えることで背筋の負担がさらに高まった結果、腰痛になることもあるようです。


腹筋を鍛えるためのおすすめのひとつに、腕立て伏せがあります。

続けることによってお腹の周りがすっきりし、腕の脂肪などもとれていることに気づくでしょう。

無理せずに、出来る回数からはじめて、続けるのがよいでしょう。


以下のサイトを引用しますが、腰痛を防ぐ体操についてまとめた参考サイトはいくつもありますので、自分に適した体操を無理のない範囲で続けてみるとよいでしょう。


ただし注意が必要なのは、「腰痛の種類によっては、体操を行ってはいけない場合がある」ことです。

すでに炎症を起こして腰痛の症状が進んでいる場合や、椎間板が飛び出していて現時点で痛みが敏感に感じられる場合などは、体を動かすことでかえって悪化してしまう場合もあり、完全に逆効果になってしまうからです。


体操は、先々の腰痛を予防したい場合や、あるいは医師の指導のもと治療の一環として行うべきものと考え、すでになんらかの腰痛を自覚している場合には、必ず先に専門医の診断を仰ぐようにしましょう。


そして体操以外にも、一日に数十分程度は、日光浴を兼ねた散歩をするようにしたいものです。

さらに帰宅後の空き時間などにはリラックスして、ふだん使わない筋肉を伸ばすことを意識しながら、ゆっくりと全身のストレッチをするようにしましょう。




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